はじめに
二日酔いで辛い朝を迎えたことはありませんか?
頭痛や吐き気など、翌日に続く不快な症状は多くの人が経験しています。そんな二日酔いを和らげる方法として、最近注目されているのが『トマトジュース』です。本記事では、トマトジュースがどのように二日酔いに効果を発揮するのか、アサヒ・カゴメ共同研究を元に、そのメカニズムを解説します。
二日酔いの一般的な症状と原因
二日酔いは、過剰な飲酒の翌日に現れる不快な症状の総称です。現在のところ、医学的には明確な定義や診断基準が示されていませんが、多くの人が経験する非常に一般的な現象です。
代表的な二日酔いの症状としては以下が挙げられます:
- 頭痛:血管の拡張や脱水症状が原因とされています。
- 胃腸症状:吐き気、胃痛など、アルコールによる胃粘膜への影響が主な原因です。
- 睡眠障害:深い眠りが妨げられ、疲労感が抜けない状態になることがあります。
- 認知や感覚の障害:集中力や判断力が低下し、感覚が鈍ることがあります。
- うつ気分:アルコールの代謝によって生じる化学物質が神経に影響を及ぼすと考えられています。
- 自律神経症状:動悸や冷や汗など、体のバランスが乱れることがあります。
トマトジュースが二日酔い対策に効く理由
そんな二日酔いの辛い症状には、トマトジュースが効果的です。
飲むタイミングを工夫することで、頭痛や胃腸の不快感を和らげるサポートが期待できます。また、アルコールの代謝を促す働きがあり、体の回復を助けます。手軽に取り入れられるトマトジュースの活用方法を詳しく見ていきましょう。
トマトジュースの二日酔い改善効果
トマトジュースが二日酔いに効く理由をご存じですか?
トマトには、アルコールを体内で分解する助けとなる成分が豊富に含まれています。例えば、クエン酸やグルタチオンなどがその代表格です。本セクションでは、これらの成分がどのように働くのか、具体的に見ていきましょう。
トマトに含まれる主要な成分とその効果
トマトジュースに含まれる成分は、二日酔いの症状を軽減するために非常に効果的です。特に、クエン酸、リコピン、カリウムはそれぞれの役割で体調回復をサポートします。
☑クエン酸
トマトジュースに含まれるクエン酸は、アルコール分解を助ける肝機能のサポート役として注目されています。二日酔いの原因となるアセトアルデヒドの代謝を促進し、疲労回復効果も期待できるため、二日酔い対策にピッタリの成分です。
☑リコピン
トマトジュースに豊富なリコピンは、高い抗酸化作用で飲酒による活性酸素を抑え、酸化ストレスを軽減します。さらに、熱処理されたトマトジュースならリコピンの吸収率がアップ。ビタミンCとの相乗効果で、アルコールによるダメージを和らげ、疲労回復にも役立ちます。
☑カリウム
アルコールによる利尿作用で失われた水分を補うため、トマトジュースに含まれるカリウムが役立ちます。カリウムは体内の水分バランスを整え、必要な水分を保持し、不要な水分を排出します。そのため、アルコールによる脱水症状を緩和し、二日酔いを軽減します。
二日酔いに効く科学的根拠
カゴメ株式会社とアサヒグループホールディングス株式会社の共同研究(2012 年)では、トマトジュースとアルコールを同時に摂取すると、
- 血中のアルコール濃度が約 3 割減少
- 体内からのアルコール消失が 50 分早まる
ことが明らかになりました。
この研究では、トマトジュース缶 3 本(約 160ml×3 本)と焼酎甲類(ストレート約 100ml)を同時摂取した場合の比較が行われました。
また、ヒト試験の結果、トマトジュースを摂取したグループは、水を摂取したグループと比較して、
✔ 血中アルコール濃度
✔ 体内に留まるアルコール量
✔ アルコール消失時間
すべてにおいて有意な低下が見られました。
この研究結果は、トマトジュースがアルコールの吸収を遅らせ、代謝を促進する可能性を示唆しています。
また、2012年の調査では、酔い覚ましにトマトジュースを飲む人は全体の15.6%で、特に60代男性の約3割が実践していることが分かりました。
どんなに優れた成分を含んでいても、飲むタイミングや方法を間違えると効果が半減してしまいます。二日酔い予防のためには飲み会前?それとも翌朝?
ここでは、効果を最大限に引き出すための飲み方とタイミングをご紹介します。
二日酔い予防のための飲み方
1.飲酒中
- チェイサーとしてトマトジュースを飲む (おつまみにトマトも効果的◎)
- アルコールと同時に摂取することで、血中アルコールの濃度の上昇を抑制
2.飲酒前
- 飲酒30分前にトマトジュースを摂取
- 体内のアルコール代謝準備に役立つ
二日酔い時の適切な摂取タイミング
1.胃の状態確認
- 吐き気がある場合は、まず水を飲んで胃を整える
2.症状軽減時
- 胃の状態が落ち着いてから、トマトジュースを少しずつ飲む
3.朝食時
- 朝食と一緒にトマトジュースを摂取
- 栄養補給と水分補給を同時に行える
注意点:吐き気がある場合の対処法
吐きけがひどいときは胃腸が弱っているサインです。
- 水分補給を行い、調子が戻るのを待つ
- 辛い場合は、胃酸を抑えるために、市販の飲み薬やクリニックで処方してもらった飲み薬で対処
- 二日酔いのときは脂っこいものや刺激物をとるのは避け、あっさりしたものをとる
参照先:
“トマトを食すると、酔いにくく覚めやすい!? – Science Portal”
“トマトは二日酔いに効く!? 飲酒後の血中アルコール濃度低下効果を実証 – マイナビニュース”
その他の二日酔い対策
その他の簡単で実践しやすい二日酔い対策を取り上げます。
飲酒後すぐに寝ないこと
1.アルコール分解速度が遅くなる
就寝中は体内の代謝活動が低下し、アルコール分解速度が落ちます。
そのため、酔いがさめるまでの時間が長引き、翌日の体調に悪影響を及ぼす可能性があります。
2.遺産の逆流リスク
飲酒後はすぐに横になると、胃酸が食堂に逆流しやすくなり、胃食道逆流性を引き起すリスクが高まります。
この症状は胸やけや喉の不快感を伴うことが多く、健康被害に繋がります。
3.体調を整える時間
飲酒後はすぐに寝るのではなく、ある程度酔いがさめる時間を確保することで、体内のアルコールが分解を助け、胃への負担を軽減できます。
また、翌日の体調不良を予防するためにも重要です。
二日酔いを抑える方法
1.栄養バランスを整える
飲み会では栄養が偏りがちです。栄養が補えるおつまみや料理を選ぶことで、二日酔いの予防や体調の回復を助けます。
2.水分を十分に摂取する
脱水症状を防ぐため、就寝前にアルコール以外の水分をたっぷり摂りましょう。水のほか、スポーツドリンクや経口補水液、ビタミンが含まれたオレンジジュースも効果的です。
3.入浴は控える
入浴は脱水を促進するため避けるのが無難です。入浴する場合はシャワーで済ませるか、ぬるめのお湯で短時間に留めましょう。サウナで汗をかくのは逆効果になるため避けてください。
4.無理に吐かない
吐きたい場合は我慢せずに吐くことで胃の不快感が軽減されますが、無理に吐くと胃や食道を傷つける可能性があります。
軽い吐き気の場合は自然に治るのを待ちましょう。
まとめ
つらい二日酔いを軽減してくれるトマトジュース。
その秘密は栄養成分だけでなく、飲み方やタイミングにもありました。
二日酔い対策としてのトマトジュースの有効性
トマトジュースは、アルコール分解を助けるクエン酸やリコピン、脱水を緩和するカリウムが豊富に含まれた、『二日酔い対策に最適な飲料』です。
飲むタイミングを工夫することで、二日酔いの症状を軽減し、翌日も元気に過ごせるようになります。
次回の飲み会では、ぜひトマトジュースを活用してみてください。
トマトジュースを日常に取り入れる
トマトジュースを日常的に飲み続けることで、リコピン摂取により悪玉コレステロール値が下がったり、高めの血圧が低下したりするメリットもあります。
また、トマトジュースに含まれる豊富な栄養素により、免疫力が高まり、健康や美容、生活習慣病の予防に役立つほか、心と体を健やかに保つサポートが期待できます。
健康習慣の1つとして、トマトジュースを取り入れてみるのは、いかかですか?
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